県立大の松本涼さん「アイスランド」と「北欧」を語る
ヨーロッパとアメリカ大陸の間、北大西洋上に浮かぶ島
オーロラー、火山、氷河、温泉など自然の魅力溢れている
人口約36万人、北海道と四国合わせた面積
10月27日の「ラッキーいとうのお気楽サンデー」は、ゲストに福井県立大学 学術教養センター講師の松本涼(さやか)さんを迎えて、「アイスランド」の紹介や北欧の国々についてのお話を聞きました。
アイスランドは日本から遠く馴染みの薄い国ですが、松本さんは2年間の大学留学の経験もふまえて色んなお話を紹介され、スタッフ一同、初めて聞く「アイスランド」の魅力や北欧について多くの認識を深められた放送でした。
日本からの航路は、フィンランドのヘルシンキ経由。乗換えで20時間程度
公立教育機関や国立病院の医療費は無料。消費税は高い
10人に一人は出版。クリスマスには本を贈る人が多い
水力、地熱発電など自然エネルギーの電力、原発はない
水揚げの魚は日本に輸出、福井のスーパーでも発見
「アイスランド」については主に次のようなお話でした。
- 2009年から2年間、アイスランド国立大学に留学した。日本語学科のコースもあり日本の人気も高くなっている。授業料は無料で学生の年齢幅は広く就職目的のための大学とは少し違う。女性の比率もかなり高い、子供連れで授業に来る学生もいる。
- アイスランドの歴史や物語を綴った「サガ」という書物を読み内容に惹かれてアイスランドへの関心を持ち、留学し研究するようになった。北欧の神話も興味深い。
- 日本からは、夜が長い冬の季節の空に浮かぶ緑・紫・赤などの光の帯がゆらめくオーロラーを観に来る観光客が多い。また夏は太陽が沈まない白夜になる。
- 小さな島国だが火山や温泉、氷河、多くの瀧など自然豊かな観光地が多い。
- 暮らしの面では、高福祉で教育や医療は無料だが、その分、付加価値税が高い。しかし、食料や本は軽減税率になっている。医療でも歯科は有料だった。家賃も結構高いし、外食だと日本円で2000円くらいはする。
- 出生率は現在でも1.74くらいあり日本のような超少子高齢化の印象はなく、女性の活躍や子育て環境も良いと思う。同姓婚も認められている。
- 産業としては、漁業、アルミ精錬、牧畜などだが最近は観光も増えている。アルミ精錬は豊富な水と水力発電、地熱発電による電力を利用しており、自然エネルギーで全ての電力をまかなっていて原発はない。
- 漁業では日本と関係が深く、タラ、シシャモ、エビなどが日本に輸出され、最近ではマグロも増えつつある。福井市のスーパーでもアイスランド産の魚が売られている。
- 文化面では、国民の10人に1人は出版するとも言われているが、日本人作家では村上春樹さんの人気が高く作品がアイスランド語に翻訳されて売られている。日本の漫画やゲームなども若者に人気である。
「北欧」は、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、アイスランドなど
国旗には、いずれも「スカンディナビア十字」がデザインされている
スカンディナビア航空は、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーの3国が共同運航
ノーベル賞は、スウェーデンとノルウェーの委員会が授与している
北欧の国々の話では、松本さんとラッキーいとうが最近の話題などを含めて次のようなことも話されました。
- 先日の天皇の即位礼正殿の儀には、北欧のデンマーク、ノルウェー、スウェーデンの国王や皇太子、アイスランドからは大統領夫妻が参列していた。オランダの国王夫妻も縁の深い関係と言われていた。
- ノーベル賞はスウェーデンとノルウェーの委員会が授与しているものである。日本の受賞者も出席しており馴染み深い。
- 北欧といえば、近くのバルト海を挟んでいる「バルト三国」も含んで呼ばれたり、フィンランドも入ることが多い。フィンランドは「ムーミン」の物語や、サンタクロースが居る国として馴染み深い国でもある。
- スカンディナビア航空は、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーの三国が出資して共同運航している珍しい航空会社で、飛行機には3国の国旗が描かれている。