武生公会堂夏休み特別展 「南越線開業100年」
ゲストは福井鉄道の北橋さんと、越前市文化課学芸員の佐藤さん
7月27日放送の「ラッキーいとうのお気楽サンデー」は、ゲストに福井鉄道の北橋幸治さんと越前市文化課学芸員の佐藤登美子さんを迎えました。
北橋さんからは越前市の武生公会堂記念館で開催中の夏休み特別展示「南越線開業100年」の話、佐藤さんからは「越前和紙の製作用具及び製品」が国の重要有形民俗文化財指定を受けた背景などが語られました。
特別展 ジオラマ運転、廃線跡ツアーなど人気 9月7日まで開催中
特別展「南越線開業100年」について、福井鉄道の北橋幸治さんは南越線の歴史や展示企画などについて次のように話されました。
- 福井鉄道南越線は昭和56年に廃線になったが、明治45年に当時の武岡軽便鉄道によって開業し現在のJR武生駅から今立地区を走り鯖江市の戸の口まで14.3km、14の駅があった。
- 当初はマッチ箱のような電車が走っていた。駅名としては国鉄武生駅東口の「社武生」をはじめ「福武口、村国、塚町、北村、五分市、粟田部、岡本、定友、野岡、戸の口」などがあり自動車の少ない時代いつも満員だった。
- 線路跡として残っているものとしては、日野川に掛っていた鉄橋が今は遊歩道として利用されている。村国駅の跡には電車一両が飾られている。
- 今回の特別展示では当時の駅名プレート、切符、制服制帽、時刻表、写真など数多くの資料が展示されている。今年が100周年なので特別展が企画された。
- 昭和の風景を感じさせる大きな鉄道模型ジオラマは当時の南越線の車両模型も走っていて県外からの鉄道ファンや子供たちも大好評。
- 8月24日には、ふるさと歴史散歩「南越線廃線跡を巡る」というイベントも企画されている、当初20名の予定が希望者も多く大型バスとなった。まだ間に合うので公会堂記念館まで連絡を。(武生公会堂記念館 - 越前市)
「越前和紙の製作用具及び製品」国の重要有形民俗文化財指定 2523点
11月には全国から「紙」に関わる人々が越前市に集結イベント開催
番組後半は、越前市文化課学芸員の佐藤登美子さんから今回の「越前和紙の製作用具及び製品」が国の重要有形民俗文化財に指定された背景などが語られました。
- 重要有形民俗文化財指定とは、有名な寺社のお宝のような物ではなく、人々の生活や暮らしを表す用具類がまとまって残されている物を指定して後世に保存していくもの。
- 今回は手漉きの越前和紙と暮らしをつなぐ用具が「かたまりとして揃って残っている」点が貴重な物として評価された、全部で2523点にも及ぶ用具である。福井県内初めての指定となった。
- 福井県が準備を始めて二年、越前市が引き継いで三年、合わせて五年の年月がかかった。
- 越前和紙といっても、奉書、襖紙など多種多様であり、道具もそれらに合わせて数多くある。桶、漉槽、漉き桁、型紙、カナガタなどは代表的なのもの。
- 私は東京出身なので、和紙の初歩からの勉強が大変だった。自分が知らないと何をどのように誰に聞いていいのかも分からなかった。
- 和紙の世界は奥が深いと感じている。紙を乾かす板は木目が紙に写らないように「いちょう」の木が使われていた。
- 指定された用具などは、越前市今立歴史民俗資料館で保存される。今後も時代に合わせた用具が生まれるが、それらの収集も続くことになる。
- 紙漉きの仕事は寒い時期が良いとされているが、現代でも変わっていない。多くの女性や家族全員の作業によって伝統ある作業が継続している。
- 11月に全国の「紙文化」にかかわる多様な業界の人たちが集まっての講演会やワークショップ、現地視察などの大きなイベントが開かれる。たくさんの人に参加してほしい。