ラッキーいとうの「お気楽サンデー」ブログ

たんなん夢レディオで毎月第4日曜日に放送の「お気楽サンデー」の記録です。次回放送は9月26日です。(12:00~13:00)です。

越前市で広がる子ども学習支援 佐竹了さんがゲスト

 地域の大人も 子どもも つながる学びの場
10月からは7箇所に増え、さらに準備中も 

9月23日放送の「ラッキーいとうのお気楽サンデー」は、ゲストに越前市内で子どもたちの学習支援活動を続けておられる、佐竹了さんを迎えて、学習支援と地域のつながりや王子保小学校の「子ども駅長」の活動などを紹介していただきました。その主な内容は次のように内容の濃いお話でした。

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小学生、中学生が一緒に宿題やテスト前復習などしている
一人ひとりの課題に寄り添った支援
会場ごとに地域の特色、教員OBや学生も楽しむ

  • この活動には越前市子ども福祉課子ども子育て総合相談室相談員と越前市地域公益活動推進協議会コーディネーターという二つの立場で参加している。教員としての体験を活かしながらの活動だが新しい発見も多い。
  • 最初、みんなの食堂(子ども食堂)を展開する中で、課題として見えてきたこともあり、越前市としても学校、家庭に加えての第三の居場所づくりを各地で広げようとの動きになった。
  • 現在は、平出のBtoF、片屋あつま~れ、みんなの勉強部屋国高の3か所だが、10月からは今立地区の岡本、花筐、市役所前の府中寺小屋、それに外国人児童への場所も増え、さらに開所準備が2箇所で進んでいる。
  • 小学校中学年から中学生まで異年代の児童が参加し、基本は家庭学習の支援。その日の宿題やテスト前の復習などで、決まったテキストなどを使うことはなく、ひとりひとりの課題に寄り添った支援になっている。
  • 会場ごとに色んな特色がある。学習支援は共通だが、地域の人的、施設の資源を最大限に活かすという事で以前からやっていたお寺の座禅会に学習会をプラスしたところもあれば、みんなの食堂や地域の人がおにぎりとスープを出してくれる所もある。その地域の人たちが出来る範囲でいろいろ考えて取り組んでもらえている。
  • どこも無料でテキストを購入したり宿題がでたりとかはない。教えている方々は、地域に住む教員OB、仁愛大学生ボランティア、ご婦人たちなど多様。子ども二人に1人とか1対1の形が多い。
  • 始めてからは、学年を超えた異年齢の子ども達のつながりや、運営スタッフの大人とのつながりが出来てきた。学校は行けないけれどここでなら勉強したいという不登校の子どもも参加している。
  • 指導に入っている教員OBは教える楽しさを再確認したり、おにぎりなどのボランティアメに入ってくださる方も、子どもとの関係が出来てやりがいを持てるなどの感想を聞いている。
  • 今後も学習支援を切り口にして、地域の子どもと地域の大人、地域の大人と大人がつながり、地域としてのまとまりを生む一助となると考えている。また、ここで学んだ子ども達は、将来、支える側にまわり、一方通行の活動に終わらないのではないかと期待している。
  • 実施あたっては社会福祉協議会を通して市からの支援をはじめ、市内19の社会福祉法人からの継続的支援をいただけるようになったことは大変ありがたい。その一方で、市民活動として生まれたこの活動の主体性を失わないようにしていきたい。

教室ごとに生まれてくる課題を、地域の力で解決する・・・そんな意識を醸成していきたい。学習支援を切り口に、まちづくりに主体的にかかわる市民が育ってくれたらと願っている。

王子保小学校の「子ども駅長」は、生徒全員が駅長
駅での活動に、乗務員は敬礼、乗客も笑顔

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 今年の豪雪ではJRにお礼のメッセージ、金沢管内全駅に紹介される
10月の王子保小100周年にはJR記念グッズプレゼントも

番組後半では、佐竹さんが王子保小校長の時に取り組まれ、現在も続いている「こども駅長」の話が下記のように紹介されました。

  • 王子保駅と王子保小は50メートル程度の距離で県内でJRの駅に一番近い。特色ある学校づくりの視点で王子保駅と学校がつながった。
  • 駅長は代表者という形ではなく児童全員で1年目は352人だった。JR側も 珍しい形での地域貢献として大変協力的である。
  • 子ども駅長は、朝の集団登校の班ごとに参加し、通勤・通学列車を利用する地域住民に駅舎前での挨拶運動、通勤列車をホームにて見送り。上り一本の特急列車見送り。駅舎の清掃活動、年末にはホームなどの大掃除もJR保安員の方と一緒にやる活動をしている。運転士さんや車掌さんが敬礼してくれたり、乗客が手を振ってくれたり児童の鉄道への理解の深まりともに喜びもある。
  • 学校の給食週間では、事前に「王子保駅にあったらいいなこんな駅弁コンテスト」を実施して、日替わりで、全国有名駅弁風給食。最終日はボルガライス風給食。また、北陸新幹線に見立てた台車で教室前まで配送(調理員は駅長帽子)、調理員さんとの握手会(握手券を持った子だけ…握手券は切符)など面白い活動がある。
  • 今年の豪雪でJRが止まった際には、子ども達から「除雪ありがとう、お仕事頑張って」のメッセージを駅に貼り武生駅に届けたら、JR側から「読んだ駅員が泣いています、降り始めてから今日まで10日間、家に帰れずに除雪作業にあたっています。ありがとう。」とお礼が届き、その後、そのコピーが北陸線全駅に配られました。子ども駅長としての大きな仕事になりました。
  • 地域の人にも応援いただいて3年目ですが、今年は王子保小創立100周年。駅舎前に王子保小の校歌や子どもたちの声が流れる音響機器が設置され、校歌や子ども達の声が流れます。100周年記念の親子スタンプラリーでは、駅もスタンプポイントの一つになり当日はJRの職員さんが制服で、「今年の大雪の時にはありがとう」とJR記念グッズのプレゼントもあるようです。